ビットコインがメタンをエネルギー資源として有効活用し、メタンの環境負荷を軽減する仕組み
ビットコインとエネルギー・環境問題、ビットコインの基礎知識 | 初級 | 1分 |
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本記事は @DennisPorter 氏著「 How Can Bitcoin Mining Reduce Methane Emissions? 」(2022年12月5日公開)を @fuuuumin さんが翻訳、 @TerukoNeriki が 一部加筆修正したものです。
ビットコインマイニングは膨大な電力を消費するプロセスで、マイニング事業者の経費の約9割を電気代が占めるほどです。このため、ビットコインマイナーは常に最安電力を探しています。メタンは貴重なエネルギー資源でありながら、輸送インフラ建設コストの回収が見込めないために有効活用されていません。座礁資源と化したメタンで発電することで、ビットコインマイナーは経費を著しく削減できる可能性があります。
メタンは主に農畜産、化石燃料開発、ゴミ・排水などの廃棄物処理で排出される強力な温室効果ガスです。大気中に放出されたメタンは、地球の放熱を妨げ、気候変動を引き起こします。大気中のメタン濃度は、工業化の進行とともに加速度的に上昇しました。メタン排出量の削減は、気候変動問題に対処する上で非常に重要です。排出量削減を目的に、メタン排出事業者にはフレアリングと呼ばれる燃焼工程が求められますが、効果は十分ではなく、コストもかかります。また、地中に浸透したメタンが地下水を汚染する可能性も指摘されています。
座礁資源のメタンですが、ビットコインマイナーなら、エネルギー資源として有効活用できます。場所を選ばないマイニングは、パイプラインなどの輸送インフラを新設することなく、メタン発生サイトで行うことができます。発生源によっては、EPA(米国環境保護庁)が再生可能エネルギーに分類するメタンもあります。マイニングを介して削減されるメタンが一定量に達すれば、ビットコインネットワークはカーボンニュートラル、カーボンネガティブになると試算する環境活動家もいます。
ビットコインマイニングへのメタン利用には、排出量削減のほかにもメリットがあります。1つは貴重なエネルギー資源の有効活用、もう1つは廃棄物処理施設などのメタン放出事業者に新たな収益源をもたらし、これらの産業の成長を促進することです。
さまざまな経済活動で排出されるメタンをエネルギー資源として活用することで、ビットコインマイニングはメタン排出量を削減し、環境負荷軽減に寄与する可能性があります。加えて、ビットコインマイナーはメタン放出産業が新たな収益を確保し、雇用を創出する後押しをします。これは他のエネルギー需要家には真似できない、ビットコインマイナーの特性です。